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日経平均株価って本当に「平均」なのか?

日経平均株価

毎日のニュースに必ずと言っていいほど登場するキーワードです。

 

「上場している会社の株価の平均でしょ?」

確かに合っています。否定することはできません(笑)

 

ですが、もう少し踏み込んでみると、面白いことが見えてきます。

 

たった3社が株価を決めている?

日経平均株価は、東京証券取引所第一部に上場する((つまり、その会社の株を買ったり売ったりすることができる)約1700銘柄の株式のうち、225銘柄の平均です。

日本を代表するような大きな会社225社の株価(一株あたりの価格×発行済株式総数)を2254で割って平均値が算出されます。(実際は225ではく特殊な数字を使うみたいですが、その説明は省きます)

このように、「平均」と書かれていれば、225社の株価が平等に反映されているだろうと思いがちです。

しかし、実際のところは、ファーストリテイリングユニクロ)、ソフトバンクファナック。この3社で、実に20%近くの株価を構成しています。

時期にもよりますが、あとは1%台までを20社が構成、それ以外の会社は、0.0…%の構成比率しかありません。3社の株価次第で上がったり下がったりしやすくなっているのが現状です。

また、225社の中には1株100円の企業もあれば1株1万円の企業もあります

これって本当に正しい平均株価と言えるのか?と言いたくなってしまいますよね。

 

 

日経平均株価は上がらない?

さらにもう一つ、日経平均株価のカラクリを。

 

日経平均株価の算出方法は、基本的には「全銘柄の株価合計÷225」で算出されます。

しかし、増資や減資、株式の分割や併合のような、純粋な株の取引以外の要因で株価が動くことがあります。これでは、日経平均株価の指標としての役割が果たせません。

 

そこで、単純に分母を225ではなく、その都度調整して、日経平均株価に連続性を持たせています。

 

ですが、この除数の調整のせいで、日経平均株価は上がりにくくなっているという現実があります。

 

日経平均銘柄には入れ替えがあります。

経営破綻した企業や衰退している企業が除外され、成長している企業が採用されます。つまり、株価が低くなっている銘柄が除外され、高くなってきている銘柄が採用されるということです。

それをそのまま放置するとどうなるか。

分母が225のままで、分子だけ増え続ければ、日経平均株価は、果てしなく上がっていくことになります。

 

そのような状況にならないためにも、調整するための除数(分母)を使うのですが、その除数はどんどん上がっていき、日経平均株価はなかなか上がらないというのが現状なのです。

 

 

日経平均株価を見るときは、これらの裏を知っておいた上で見たほうが、単なる日経平均株価という数字を、奥行をもって見ることができるようになるでしょう。